配信方法
憧れの3Dデビューもこれで安心!Live cartoon社長の辻さん(cortさん)に聞く、モーションキャプチャースタジオと自宅3Dの違い、そしてVTuberがスタジオを利用する流れと注意点を徹底解説
藍波
以前スコマガでは、Live2Dと3Dの違いや、さまざまなモーションキャプチャー方法について解説しました。では、実際に3DモデルでVTuber活動をしていく際、どうするのが良いのでしょうか?
▼以前の記事はこちら▼
【超初心者向け】VTuberを3Dで始めたい人必見!Live2Dと3Dの違いやモーションキャプチャ方法を徹底解説 | 配信方法 | スコマガ -好きを応援するVTuberメディア-
この記事では、VTuber専門のモーションキャプチャースタジオの運営をはじめとする、さまざまなVTuberをサポートする事業を展開しているLive cartoonの社長、辻さん(cortさん)監修の下、Live cartoonのモーションキャプチャースタジオを利用するまでの流れと注意点を解説していきます!
モーションキャプチャーは自宅?スタジオ?
配信をする際、モーションキャプチャーは自宅とスタジオのどちらでやるべきか悩む人も多いのではないでしょうか。実際、自宅で機材を揃えて配信することも、スタジオで配信することもできます。
環境
スタジオと自宅の一番大きな違いは「サポートしてくれるスタッフの有無」です。スタジオでは、音源再生や照明操作、カメラの切り替えなどをスタッフに任せることができます。そのため、スタジオの利用はハードルが高そうだと感じる人もいるかもしれませんが、むしろ初心者に優しい環境だと言えます。また、配信中に配信者がパソコン操作する姿勢が映ってしまうことを避け、世界観をつくって配信したいときは、スタジオの利用がおすすめです。
他に異なる点として、時間とスペースが挙げられます。自宅で配信するメリットとして、時間の制限がないことが挙げられます。ただ、全身を動かしたい場合、使用する機材によってはスペースを確保する必要が出てくるので、自宅で行うことを検討している場合は注意が必要です。
機材
自宅で使用できる機材で代表的なものには、mocopiやHTC Viveなどがあります。一度機材を揃えることができれば、配信の度にお金がかかることがないのは嬉しいポイントです。
それに対して、スタジオでは利用の度にお金がかかりますが、モーションキャプチャーの精度は非常に高くなります。自宅で使用することのできる機材では、位置を取ることができる箇所が少なくなってしまい(例:頭と両手の3点、頭・両手・腹・両足の6点、など)、多くの位置を取ることのできるスタジオと比べて、特に肘や膝の曲がり方や、ジャンプした時の形などの精度が大きく変わります。
自宅で使用できる機材の中でも手に取りやすいmocopiと、Live cartoonのスタジオでも使用しているOptiTrackの動きの精度を比較している動画も参考にしてみてください。
さまざまなモーションキャプチャースタジオ
モーションキャプチャースタジオの中にも、それぞれが得意とする領域があります。以下に代表的なものを紹介します。
- ・テレビアニメーションやイベントでも使われれる大規模スタジオ:LATEGRA、冬寂、LOGIC&MAGIC
- ・配信プラットフォームも運営し、有料ライブを中心に幅広いノウハウを持つスタジオ:バルス、VARK
- ・自社VTuberも在籍し、個人でも相談・利用がしやすい小規模なスタジオ:Live cartoon、ゆにクリエイト、きまっしスタジオ
今回は、VTuber界に最も古くから参入し豊富な実績があり、長年オタク文化に寄り添ってきたスタッフ陣が運営する、Live cartoonのスタジオに焦点を当てました。
Live cartoonのスタジオは、フレキシブルなカメラワーク・多彩な照明・特効・スモークを感じる空気感、そしてIPの魅力を最大限引き立てるきめ細かいフェイシャルを得意としています。(公式HPより)
例えば、Live cartoonのスタジオを利用することで、以下のような配信を行うことができます。
LCスタジオ利用の料金と流れ
スタジオの利用料金は、そのスタジオで初めて使用する3Dモデルを動かせるようにするための「初期費用」、利用時間に応じて変わる「利用費」、必要な人手に応じて変わる「人件費」の3つが合わさったものになります。
配信には4.5時間パックの利用がおすすめ
Live cartoonのスタジオを利用して、3Dお披露目配信や音楽ライブ配信をする際は、慌てずに準備ができて、集中も切れにくい4.5時間パックの利用がおすすめです。MV用のモーションキャプチャーデータの撮影などは、3時間パックの利用がおすすめです。
4.5時間パックを初めて使う時にかかる費用は、モデルの初回使用時に発生するVRM実装費20,000円に加えて、パック料金128,250円、計14.8万円(+税)が基本的です。
そして、照明及び手持ちカメラの演出を付け加える場合は、スタッフの人数分の人件費を合わせた金額で、計20万円ほどとなることが一般的です。事前の打ち合わせ段階で見積もりを知ることができますが、追加する要望の内容によっては金額も変動するので、よく確認しましょう。
タイムテーブル
打ち合わせは随時事前にメールでやり取りを行いますが、リハーサルと配信は同日に行います。
Live cartoonのスタジオでは、告知VTRを撮り、それを配信の前後にSNSに投稿することをおすすめしています。これは、動画付きの告知の方が、投稿を多くの人に見てもらいやすくなるためです。配信前の告知VTRをリハーサル中に、配信後の終了VTRを配信本番が終わった際に撮り、載せることができます。
LCスタジオ利用のポイント
ここからは、Live cartoonのスタジオを利用することを想定しながら、スタジオ利用のポイントを解説していきます。
遅くても2週間前には利用の連絡をする
初心者は、遅くても2週間前に利用の連絡をし、スタジオのスタッフとモデルの動作確認を進めていきましょう。ただ、モデルそのものに問題があることが判明した場合、モデラーの都合で2週間で修正するのが不可能な場合もあります。できるだけ早く利用の連絡をしましょう。
利用者の中には、モデルの制作段階からスタジオを予約する人や、モデルが完成する時期を見込んで半年以上前に予約をする人もいます。
事前に渡される資料をよく読む
Live cartoonのスタジオを利用する時は、事前に用意すべきものが書いてある資料を渡されます。動きやすい靴を履いてくること、髪が長い人はまとめられるようにすることなど、資料をよく読み、万全の状態で当日を迎えましょう。
演出はおまかせでOK・要望を伝えてもOK
実は、Live cartoonのスタジオを利用する人のほとんどは演出をスタッフにおまかせしています。腕のあるスタッフにおまかせするのもおすすめです。
もちろん、事前に要望を伝えるのもOKです。当日の台本(タイムテーブルを組まずに箇条書きでもOK)に、テキストで「スポットライト」「曲のイメージカラーは青」「ギラギラ」など、一言でもいいので、希望する演出のニュアンスを書き込んで伝えるのも良いでしょう。
配信に使用するデータはすべてUSBメモリやクラウドに保存しておく
画面上に表示する配信ロゴや、使用する楽曲のカラオケ音源データ、歌唱時に見る用の歌詞データなどは、USBメモリや、Googleドライブなどのクラウドサービスに保存しておきましょう。使用するものは、事前の打ち合わせの段階でギガファイル便などを通してメールでスタッフに送信しますが、漏れが生じてしまう場合があります。当日慌てることのないよう準備しておくのがおすすめです。
特に、オリジナル楽曲のオケデータや歌詞データは、ネット上から簡単にダウンロードできるものではないので、使用する予定ではない場合も、念のためいつでもアクセスできるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
ここまで、モーションキャプチャースタジオと自宅の違いや、Live cartoonのスタジオを利用する際の流れと注意点を解説してきました。
モーションキャプチャースタジオに足を運ぶことは、ハードルが高いことだと感じる人もいると思います。しかし、今回の取材で分かったことは、相談すればスタッフさんが親身に応えてくださり、高いクオリティの配信を一緒につくってくださるので、むしろ初心者さんにおすすめだということです。ぜひこの記事を参考にしつつ、素敵な3Dモデルでの活動への一歩を踏み出してみてください!
最後に、辻さん(cortさん)にLive cartoonの魅力を語っていただきました!記事の監修にご協力いただき、ありがとうございました。
「Live cartoonのスタジオは、創業時からVTuberコンテンツを取り扱っている会社で、どこよりもVTuberのポテンシャルを引き出す事が出来るスタジオだと自負しています。モーションキャプチャーは売っている物を買ってきてる訳ですので、高精度なのは当然で、正直どこのスタジオも同じクオリティーです。我々はその一歩先にある『売っている物を買っただけでは補えない領域』に力を注いでいます。多彩で魅力的なフェイシャルはもちろん、すべて自動化せずあえて手作業の余地を残すことで、職人技が光るカメラや演出効果、経験と工夫で常に更新し最適化する環境構築を駆使し『こうやったらファンは喜んでくれるかも』と一緒に考えながら、配信前から終了後までサポートをしています。
また、Live cartoonは自社で展開するVtuberブランド『Charact』にて、新規メンバーを常時募集しております! もし興味がある人がいれば、所属応募フォームに、動画のURL付き(限定公開可)で自己PRを送ってください。ご応募お待ちしております!」
この記事に関わった人
藍波
執筆
VTuber知識ゼロの学生ライター。VTuber業界に精通しているluco株式会社の社員たちの監修の下、初心者目線でわからなかったことを記事にまとめ、発信している。最近はお気に入りのモデルを手に入れ、自分が配信活動することを妄想するのが趣味。
辻(cort)
監修
趣味としてMMD(MikuMikuDance)を触り始め、その後数作品ほど地上波アニメシリーズのアニメーション監督やスーパーバイザーを経験。2015年に技術×IPのアプローチを開発しVTuberの雛形を作り合同会社Live cartoon設立。以降はキズナアイを始め、年間約100本のVtuber3D現場を支える。ボーカロイドIAの10周年コンサート製作やVtuber巫てんりMV制作などでクリエイター活動ものんびり再開。
恋乃夜まい
画像協力
異世界からきた24万歳の恋の魔女。ASMRの配信が耳に心地良く、YouTubeでの登録者も約25万人と人気。自身のリスナーのことを「だーりん」と呼び、極めて三次元に近いその存在にガチ恋となるリスナーが後を絶たない。概念となることを目指している。
夢乃ほのか
編集・画像デザイン
ちょっぴり大人な社会人アイドルVtuber。Vtuberとしての活動の傍ら、「バーチャル社員」としてluco株式会社に勤務しており、二足のわらじでバーチャル生活をエンジョイ中。これまでのオタク人生を生かしたオタク特化の雑談配信が人気。「最推しじゃなくていい。あなたの忘れない人にしてくれませんか?」