配信方法
恋乃夜まいさんに聞く、初心者がASMR配信をするときに知っておくべきことは?機材や環境、大切にしていることを徹底解剖
恋乃夜まい
配信界において、ASMRはひとつの王道ジャンルになっています。実際に聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ASMRとは、「Autonomous Sensory Meridian Response」の略で、視覚や聴覚への刺激を受けることで、心地よく感じたり、脳がゾワゾワするような感覚を味わうことを指します。そして、そのような感覚を誘発する音を出すことを指します。
身近なものでありながら、配信者がその音をどう出しているか、謎の部分も多いジャンルです。
今回の記事では、ASMRを実際にやってみたい初心者向けに、恋乃夜まいさんをお迎えし、ASMR配信の心得についてお話いただきました!
機材・配信環境について
ーまず、初心者が一番気になるのが、機材についてだと思います。恋乃夜まいさんがこれまで使ってきたマイクと、その特徴や魅力を教えてください!
これまでの配信では、約10万円の「3Dioの白耳(※1)」と、約100万円の「KU100(※2)」を使ってきましたが、どちらの音も違った良さがありました。
まず始めに、KU100は本来ASMR用ではなく、ライブイベントなどの収録時に使われるようなマイクなので、水濡れや湿気などには注意が必要です。3Dioも機材なので同様に水には注意すべきかと思います。
KU100は感度がすごく良いです。例えば、マイクの耳元で吐息を吹きかけたとき、3dioも文句の付けどころのないくらい良い音なのですが、KU100になるとより鮮明に聞こえるので、吐息の熱を感じるくらいリアルだな、と私は思います。
3Dioは人間でいう鼓膜の部分が、KU100とは違い、触りやすい位置に露出しているので、耳かきの音や柔らかいブラシの音など、直接こすることで良い音が出るものに適していると思います!
それぞれに違った良さがあるので、本当に値段だけでは比べられないと思います。使いながらそのマイクに合った良い音を模索するのがいいと思います。
(※1)ASMR配信のタイトルに記載されるマイクで現在最も見かけるのは、3Dio社が販売している「Free Space」シリーズだと言っても過言ではないでしょう。シリーズの中でも「Free Space(通称:白dio、白耳)」と「Free Space Pro(通称:黒dio、黒耳)」の主に2種類があり、恋乃夜まいさんが使用しているのは「白耳」の方だそうです。両端に耳の形のマイクがついている見た目が特徴的です。
▼実際に3Dioを使用した配信はこちら▼
(※2)KU100は、NEUMANN社が販売している、上級者が使用する最高級のマイクです。頭型の見た目が特徴的です。
▼実際にKU100を使用した配信はこちら▼
ー他にも使ってみたことのあるマイクがあったら教えてください!
配信では3dioとKU100しか登場させたことはないのですが、ボイス収録時にLifelikeという、1万円程度のイヤホン型のマイクで、スマホに直接差せるものを使ってみたことがあります。ASMRはやってみたいけど10万円以上するマイクを買うのは不安という方には、比較的安価なので、お試し用ならオススメです。あくまでスマホ用なのでお間違えの無いよう…!
ーマイク以外に必要な機材はあるのでしょうか?
オーディオインターフェイスも必要です。たくさん種類があるので、聞き比べ動画などを参考に、自分が好きな音質に近いものを買うと良いと思います。
ー配信環境に関するアドバイスもあれば教えてください!
PCのファンの音やエアコンの音、ゲーミングチェアの音やキーマウの音、車の音や風の音、集合住宅ならご近所さんの物音など、そのような環境音すべてを高感度マイクは拾ってしまいます。私は防音室を持っていないので、できるだけ環境音の気にならないところに住んで、PCをウォークインクローゼット内部に隔離し、エアコン以外で温度調節をするようにしています。キーマウは音の小さい物に替え、ASMR配信時は木の椅子に座ります。環境音を消す、これが一番の難関です……。
あと、2枚目のモニターと大きな昇降デスクも買ってよかったと思っています。ゲーム配信のときとASMR配信のときとで、デスクの高さを調整して、腰が痛くなるのを防いでいます!
ーご自身がASMR始めたての時、失敗したと思うことはありましたか?それに対してどう対策したかも教えてください!
最初の頃、 VTuber用のカメラをスタンドを使わずに不安定に立て掛けてしまっていたことがあって、ASMR配信中にそれが倒れて大きな音が鳴ってしまったことがあります。そのあとすぐにスタンドを買ったのですが、今度はヌルヌルの手でシャンプーボトルを掴んで滑って落として大きな音を立ててしまいました。それからは、ASMR配信時はいつも机にタオルをもふもふに敷き詰めて、万が一落としても大丈夫なようにしています。
配信をするときについて
ー少し話は変わりますが、配信をするときについて伺いたいと思います。事前に台本はつくっているんですか?
台本はありません。テーマはなんとなく決めてやることが多いです。例えば「今日は思いっきりお姉さんでいくぞ」とか(笑)。配信の準備としてやっていることは、音を出す道具一式の用意と、気持ち作りですね!
ーシャンプーの音など、特殊な音をどう出しているのか気になります!
他の配信者さんがどんなふうに音を作っているのか気になりますよね。ただ、音作りはそれぞれの味になると考えているので、私のやり方は秘密です!自分だけの音を模索するのがオススメです!
何か再現したい音があったらまずは想像で模索してみる。そしたら模索の過程で思いがけない別の良い音に出会えたりします!私は、考える前にいっぱい試してみますよ!
恋乃夜まいさんについて
ー最後に、恋乃夜まいさんご自身について伺いたいと思います。何がきっかけでASMRを始めたんですか?
昔、ASMRでちょっと伸びてた方の音声を初めて聞いたときに、「私の方が上手にできるけどな…」と思ったのがきっかけです(笑)
ーずばり、恋乃夜まいさんにとってのASMRとは?
リスナーさんたちの交流の場です。私って多分ASMR配信の中では特殊な方だと思うんですけど、ASMR配信中にコメ欄といっぱい会話するんです。もうほぼ隙間なく喋ってます。たまにコメントで「チャットを読まないで欲しい」とアドバイスを頂くこともあります(笑)
普通の配信よりも、物理的に近くに感じてもらえるところは、ASMR配信ならではの魅力だと思います!
ーASMRをしていく中で大切にしていることを教えてください!
良い声や良い音を極めることは悪いことではないと思いますが、本筋ではないと思っています。それから、可愛いやセクシーなどのカテゴライズも後から付いてくるものだと私は思っています。カテゴライズの出来ない自分だけの人間性、これを一番に大切にしています。
あと、少し話が逸れますが、偽りの自分で戦おうとすると、偽りの自分を求めたリスナーさんが来てくれるということになるので、求められることにギャップを感じたり、後々苦労すると思うので、キャラ作りが苦手な方は素でいっちゃった方が良いと思います。
ー貴重なお話をありがとうございました!
この記事に関わった人
恋乃夜まい
執筆
異世界からきた24万歳の恋の魔女。ASMRの配信が耳に心地良く、YouTubeでの登録者も約25万人と人気。自身のリスナーのことを「だーりん」と呼び、極めて三次元に近いその存在にガチ恋となるリスナーが後を絶たない。概念となることを目指している。
藍波
編集
VTuber知識ゼロの学生ライター。VTuber業界に精通しているluco株式会社の社員たちの監修の下、初心者目線でわからなかったことを記事にまとめ、発信している。最近はお気に入りのモデルを手に入れ、自分が配信活動することを妄想するのが趣味。